髙橋和久医師は、呼吸器内科一般を専門とし、肺がん,中皮腫だけでなく,アレルギー疾患,感染症,間質性肺炎など幅広い呼吸器系の疾患のスペシャリストである。がんの中で最も死亡率が高く治りにくいとされる肺がん治療にあえて挑みたいと肺がんの治療医師を志したと言う。
また、髙橋医師は、日本で初めて開設した最も古い歴史を有する呼吸器内科専門教室で2005年8月から主任教授として教室の運営にもあたっており、教育や育成、研究に力を入れている。
主な研究テーマには、抗がん剤や分子標的薬など、薬剤の耐性機序の解明と克服。薬が効かなくなった患者さんに効く薬を生む「創薬」をめざす。
診療内容
国立がん研究センターがん対策情報センターによると2014年がんで死亡した人は、男性218,397例、女性149,706例(計368,103例)とのこと。死亡数が多い部位の男性1位、女性2位が肺がんである。近年、肺がんは治療の進歩が著しく、毎年ガイドラインを変更しても追いつかないほど早いペースで新薬が開発されている。薬の効果を高めるために、遺伝子解析に基づく「個別化治療」が行われるようにもなってきた。
肺がんは、肺の細胞の中にある遺伝子が変異することで生じる。変異する原因にはさまざまな要因が考えられるが、喫煙との関係が非常に深いとされた。しかし、最近はタバコの影響にあまり関係のない「腺がん」が増加傾向にあるという。
症状には、咳、息切れ、息苦しさ、喘鳴、飲み込みづらさ、体重の減少、痰、血痰、胸の痛み、疲れやすいなどがあるが、早期は症状が出にくいことから発見が難しいとされ、かなり進行してからの発見となるため手術ができない人は半数以上にも上る。
治療には、外科的治療(手術)、放射線治療、薬物療法(抗がん剤治療)などがあり、病期(ステージ)、全身の状態や年齢、心臓・肺の機能、合併症などを総合的に検討して決める。
最近は、自分の病状を把握し、医師とコミュニケーションを取りながら自分に合った治療法を選びたいと希望する患者も増えていると言う。治療に関する疑問や不安を残さないよう、担当医以外の医師の意見(セカンドオピニオン)を聞くのも一つの方法だ。
なぜ最近、タバコと関連の薄い腺がんが増えているのか、肺がんの治療成績はどれほど高まったのか、そして治療は今後どのような方向に進んでいくのか、詳しくは 【⇒ドクターズインタビューを読む⇒】
診療を受けるには
原則として他の医療機関からの紹介状(診療情報提供書)が必要。紹介状がない場合は、初診時選定療養費として別途5,400円(税込)が必要となる。
医師のプロフィール
経歴
1960年 東京都生まれ
1985年 順天堂大学医学部卒業
1994年~1997年 米国ハーバード大学医学部附属マサチューセッツ総合病院 腫瘍外科学留学 ポスドク
2003年 順天堂大学医学部呼吸器内科学講座助教授、順天堂大学大学院医学研究科呼吸器内科学助教授併任
2005年 順天堂大学医学部呼吸器内科学講座教授、順天堂大学大学院医学研究科呼吸器内科学教授併任
2014年 順天堂大学医学部附属順天堂医院 副院長
所属学会・認定・資格
医学博士、日本内科学会 評議員・認定医・指導医・総合内科専門医、日本呼吸器学会 理事・代議員・専門医・指導医、日本肺癌学会 理事・評議員、日本癌学会 代議員、日本臨床腫瘍学会 評議員・暫定指導医、日本がん治療認定医機構 教育委員会委員・認定医、日本サルコイドーシス学会 理事・評議員、日本呼吸器内視鏡学会 代議員、日本老年医学会 代議員・専門医・指導医、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 代議員、日本免疫学会、日本アレルギー学会、日本病理学会、日本医師会 認定産業医、日本核医学会 専門医、米国胸部学会(ATS)、米国臨床腫瘍学会(ASCO)、アジア太平洋呼吸器学会(APSR)、国際肺癌学会 日本支部(LASLC)、特定非営利活動法人アジア太平洋胸部協会 理事(APTA)
2002年 順天堂大学医学部同窓会学術奨励賞受賞
2014年 APSR Harasawa Research Award受賞
主な著書(編集・共著含む)
『世界で一番やさしい 肺がん (知ってなおすシリーズ) 』(2010年エクスナレッジ)
予防に心がけたいこと
風邪ではないのに長期間(数週間~1カ月)にわたり乾いた咳が止まらず続くようなら医療機関を受診しよう。また、痰の量が増えていないか、痰に血液が混じることはないかなどもチェックするとよい。定期的に肺がん検診を受けよう。
彩虹桥签约顾问-顶级名医团队